「設置が義務づけられている」と強引に契約を迫る 火災報知器商法

「法律で決まっています」「設置が義務づけられています」などと、商品を購入するのがさも当然であるかのうなセールストークも、悪徳な訪問販売でよく使われる手口です。

誰しも、「法律で設置することが決められています」「国民の義務ですよ」などと言われれば、その言葉を素通りできず、熱心に耳を傾けてしまいがちです。
当然の感覚といえるでしょう。

そして「法律を守らねばならない」という気持ちから、悪徳業者が言うもっともらしい説明を信じ込み、言われるがままに契約書にサインしてしまうことがあります。

「消防署のほうから来ました」と消化器を売りつける

法律を口実にした手口で、昔からあるのが消化器の訪問販売です。

一般家庭には、法律による消化器の設置義務はありません。
それなのに、個人宅を訪問し、「消化器を設置する義務があります」「もう期限が切れているので取り替えましょう」などと説明し、法外な金額で消化器を売りつける悪徳業者が今でもいるのです。

画像の説明

「消防署のほうから来ました」と、消防署の関係者をかたることもあります。
「○○のほうから」の「ほう」とは方角をさすだけで、消防署とはもちろん関係ありません。

制服や作業着ふうの服に身を包み、さらには消防署員らしい腕章を着け、ニセモノの身分証までこしらえて提示するなど、信用させるための演出にも余念がありません。

普段は自宅にセールスマンがやってきても、用件だけを聞き、インターホン越しに「いりません」とはっきり断れる人でも、信頼できる公の機関の職員だと思い込むと、いとも簡単に警戒心を解いてしまい、玄関先に招き入れてしまうことがあるのです。

消防法に便乗し、高額な火災報知器を設置

消化器は一般家庭に設置する義務はありませんは、「火災報知器」の場合はどうでしょう。
実は2004年に消防法が改正され、一般の家にも住宅用火災報知器を設置することが義務化されました。
新築住宅は2006年から、既存住宅は各市町村によって義務化される時期が異なります。

そんな「改正法」にすぐ目をつけ、「法律が改正されたから、火災報知器を設置する義務がありますよ」などと言って、訪問販売で火災報知器を販売することを考え出す業者があります。
火災報知器を強引に設置されるトラブルの相談は、新築住宅に設置が義務化された2006年以降、急増しています。

火災報知器の設置が義務化されたのは事実ですが、現在建っている住宅(既存住宅)については、2011年6月1日までの各自治体が定める日からとなっており、地域によって義務化の時期hが異なります。

それなのに、既存住宅も今すぐ設置しなければならないかのように言ったり、「とんでもない法律違反を犯してますね」「今すぐ設置しないと罰せられますよ」などの、脅し文句が使われたりすることもあります。

そのような改正法のことを知らない人も多いでしょうし、言われたほうは「自分が罪を犯していたなんて…」と驚いて、悪徳業者の言うがままになりがちです。
また、「これから義務化になる」とちょっと聞いたことがある人は、その話かと納得してしまうかもしれません。
悪徳業者はそれを狙っているのです。

どうせ設置ひなければいけないのなら、ちょうど訪問してくれた業者に頼んでも同じでは、と安易に考えないようにしてください。
次のような事例もあるからです。

1万円程度の火災報知器の設置で50万円の請求!

突然、業者2人が訪問し、「火災報知器の設置が義務化された。設置費用は通常75万円だが、50万円で設置できる」と言い、断ってもなかなか帰ってくれないので仕方なく契約した。
その際、業者に言われて退職金を入金した通帳を見せたところ、口座番号を控えて帰っていった。
クーリング・オフをしたい。
(70代・男性)

この事例では、50万罨もの高額な料金を請求されていますが、火災報知器はホームセンターなどで、1個あたり8000円から15000円程度で販売されています。
言葉は悪いですが、「ぼったくり」としか言いようがありません。

また、火災報知器を設置しなければいけないのは、戸建なら寝室と台所と階段のみと、決まった場所だけでよいのです。
しかし、家の中すべての部屋、果てはトイレにまで設置義務があるかのように説明して、高額な料金を請求したという悪質な事例もあります。

このようなケースでは、高齢者と見るや、業者は「強引に勧誘すれば、言うとおりになる」と判断したのでしょうか、契約をするまでその場に居座り、預金通帳の口座番号を聞きだすなど、勧誘方法が極めて悪質です。
一人暮らしの高齢者の家をいきなり訪問し、契約させて預金通帳の口座番号を控えたあとで、「契約したことを他の人に黙っているように」と、家族に口止めするケースが報告されています。